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【2月26日開催】第4回 石井・石橋記念講座(拡張知能医学)公開セミナー「器官形態形成原理を目指した 異分野融合アプローチ」
2025年2月26日(水)18:00-19:30 CRIK信濃町コミュニティスペースにて
慶應義塾大学医学部 石井・石橋記念講座(拡張知能医学)主催イベ ントを開催します。
どなたでも無料で 参加いただけるイベントですので、ぜひこの機会にお誘い合わせの上CRIK信濃町にお越しください。
▼イベント詳細・お申し込みはこちら▼
https://docs.google.com/forms/d/1Cmh9BWmc3Rb3xAANy4CgjMW5yOEWcV8jJot8JaZy1l4/viewform?edit_requested=true
主催・お問い合わせ先:應義塾大学医学部 石井・石橋記念講座(拡張知能医学) eim-ai-group@keio.jp
ご登壇:森下 喜弘氏
理化学研究所 生命機能科学研究センター 発生幾何研究チーム チームリーダー
講演詳細:
本講演では、器官形態形成原理を目指して我々が行っている研究アプローチとその成果について 紹介する。分子・細胞生物学が細胞の分化や増殖制御の分子機構を中心に研究を行うのに対し、 私たちは組織変形動態というマクロな量をライブイメージングとデータ解析によって定量すると ころから研究をスタートする。組織変形とは組織の形態が変わる物理プロセスそのものの記述で あり、「発生過程において器官固有の形がどのように作られていくか」という問いにおいて最終 的に説明したい対象そのものである。にもかかわらず、現時点においてほぼすべての臓器に対し てその定量情報は極めて乏しく、物理プロセスとしての形態形成過程の理解を大きく妨げている。 本講演では、前脳、心臓、四肢、下顎といった複数の器官に対して定量された組織変形動態情報 を基に、これまで明らかになってきた種間・器官間で共通する形態形成則を紹介する。他方で、 組織内の空間情報が分子的にどのようにコードされているかという問題は、器官内を適切に領域 化し複雑な構造を作るために重要である。このコーディング問題の情報理論的定式化と最適デザ インについて紹介し、最近行っている空間トランスクリプトーム解析との関連性も議論する。講 演全体を通じ、解析の詳細というよりは、何を問いとし、何を目的に、どのようにアプローチし ているかという研究精神を伝えられたらと思う。